子供の頃からいろんな食材を食べさせてもらっていたせいか、食べず嫌いは全くない。

身体が拒否反応を示すものがいくつかあるが、それでも美味しく食べれるのだから、単にイヤシイだけかもしれない。

そんなイヤシイ自分にも、テンションの上がらない食材がある。


鰻と穴子だ。


ただし天然鰻、あれは美味い。まるで別物。

けれど養殖の鰻はブヨブヨで、おまけに甘辛いタレ。みんなタレが好きなんじゃないの、って思っちゃう。

昔、鰻の本場、浜松にも住んでたことがあるけど、鰻の蒲焼きに山葵つけて食べてるところを見ると、やっぱり脂クドいんだよ。


その点、穴子はまだマシ。

でも甘いツメを塗った煮穴子にしても、天ぷらにしても、一口で十分。白焼きもあるけど、もっと美味い食べ方ないのかなって、ずっと思ってた。





そしたらね、
あるではないの!!!!!



マリネにして鰻の美味さに開眼させてくれた中目黒「イカロ」同様、今度も教えてくれたのはまたイタリアンだった!



時期は2月。脂の乗った淡路の穴子を骨切りし、軽く表面だけ霜降りにした半生に、塩を振って、それは出てきた。

穴子は足がはやいので、直前まで生かしておかないと出来ない貴重な料理だ。

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これがもうね、ウマ過ぎて笑ってしまった。

白焼きにしてもまとわりついていた、あの穴子特有の臭みは皆無で、これが本当に穴子なのか信じられなかったぐらい。


うっすら桃色がかったその身を口に入れると、骨っぽさはまるでなく、むっちりとして、ふっくらとした、何とも言えない食感。塩が引き出す、淡く優しい甘味の奥から、噛むほどにとてつもなく深い味わいが広がる。まるで薄桃色の羽衣をまとった天女のような気品、これにはノドグロもびっくりだろう。


この料理には、「イカロ」の鰻マリネと同じく、アルト・アディジェのゲヴュルツトラミネールを注文したらバッチリ☆

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路面店なのでお安くはないけど、ランチでこんなのがいただけるなんて、また行くしかない。

大阪・西天満「ピ・グレコ」にて。